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不動産まめ知識

2021年10月26日

要注意!~1棟アパートを転売するとき~

収益物件として所有していたアパートを売却したいというご相談がありました。

★ご相談の内容★


相続物件として売りに出されていた1棟アパートを3年前に購入し、収益物件として運用していましたが、子どもた ちの学費のため現金が必要となり売却を考えています。買った時より地価が下がっているし建物の老朽化も進んでいるため、売却損が出るでしょうか?なお、買った当時は半分が空室でしたが、今は満室となっています。

1.1棟アパートの資産価値

ご相談の物件があるエリアは今現在は地価下落はしておらず、ほぼ横ばいか若干の上昇基調です。

青森県は地価下落が続いているというのが一般的な見方ですが、そうはいってもすべての地域で下落が続いているわけではなく、今は下落・横ばい・上昇とエリアによって地価動向はベクトルがちがっています。

「どうせ地価も下がっているから、売却しても損がでるだけ」と決めてかかることはありません。

ご相談の物件があるエリアも住宅需要が堅調で、転勤のある職場が近くに複数あるため賃貸の需要も多く、アパート経営の適地とも言える場所でした。

また、購入した時から3年が経過しその分の経年減価は生じていますが、各戸の補修や設備の入れ替えもまめに行われていたため大きな減価は見られず、設備投資により経年減価が相殺されています。しかも、なによりも購入した時は半分近く空室だったのが今は満室ということで、収益物件としての資産価値は大きく上がっていました。

したがって、購入した時の価格よりも高値査定で売却希望額を決定し、物件情報を公開しました。

思ったとおり、主に個人投資家の方からの反響が大きく、値下げ交渉もなく希望金額通りにスムーズに売却することができました。

2.買ってから5年間は待とう!

ご相談者様の場合は、お子様の学資のため早急に現金が必要になったとのご事情があるのでやむを得ないのですが、特別な事情がない限り買ってから5年以内の売却は避けましょう。

なぜなら、5年以内に売却すると短期譲渡所得となり売却益が出る場合、所得税と住民税の税率が2倍近く高くなってしまうからです。具体的には下表をご覧ください。

■短期譲渡所得:売却した年の1月1日現在で「所有期間5年以下」の場合

所得税住民税合計
30.63%9%39.63%
※復興特別所得税については記載を省略しています。

■長期譲渡所得:売却した年の1月1日現在で「所有期間5年超」の場合

所得税住民税合計
15.315%  5%20.315%
※復興特別所得税については記載を省略しています。

ここに注意!! ワンポイント


■1棟アパートの資産価値を見誤らないように!

■買ってから5年以内の売却は要注意!

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